2019年9月25日水曜日

【太陽光発電】(2)これがシステムの全体構成案だ!

僕らのガレージで絶賛進行中・・・
謎に包まれた太陽光発電計画の全体構成を紹介しよう!



どうも、夏場はガレージでTシャツ汗だくで作業しておりました、サンドマンです。
さて、先日の記事からそこそこ時間が空いてしまいましたが、今回は、現在進行中の企画「太陽光発電プロジェクト」で構築中のシステム構成に関する紹介をします!

またまた長文になりますが、軽い気持ちでぜひお付き合いください!



【まずは前回の復習から】

まず、前回の復習になりますが、我々の構築するシステムの特徴は、
①オフグリッドソーラー発電であること。
  (→すなわち、系統連系はせず、蓄電する。)
②工作機械の電源として使用すること。
  (→大負荷の機器へ電源供給。)
③エアコンの電源として使用すること。
  (→これまた、大負荷の機器へ電源供給。)

の3点です。これらを実現するためには、大容量のバッテリーバッテリー容量に見合ったソーラーパネル大出力のインバータ(※直流電源を交流電源に変換する装置)が少なくとも必要なことがわかります。

【機器配置はこんな感じ】

さて、では構成について考えていきます。まず、機器の配置イメージはこんな感じになります。
(あくまでイメージ図なので、パネルの向きや図示しない構成要素など、一部不正確な箇所を含みます。ご容赦を。)



僕らのガレージは2F+屋上の建物です(※1)。
建物の屋上にソーラーパネルを配置。(向きは南向きかな。)
そこで発電された電気を1Fまで送電し、チャージコントローラ(※2)を介してバッテリーに充電。充電された電気をインバータで交流電源に変換し、1Fの工作機械や2Fのエアコンに給電する計画です。
オフグリッドソーラー発電ですから、もちろん系統連系装置等(パワーコンディショナ等)はありません。

(※1)契約上の借用範囲は、駐車スペースを除く1Fと、2F全体です。屋上は、大家さんのご好意で使用させていただいております。
(※2)バッテリーへの充電を制御する装置。安全に効率よく充電するために使用必須。詳細は今後の記事で説明していきます。

【機器の必要容量計算】

ここで、各機器にどのくらいの電気的な容量が必要か、計算してみましょう。
(かなりざっくり計算です。うまくいかなければあとで修正する前提です。。。)
まずは、今回の目標を、
「週末1日だけ、ガレージ2Fでエアコンを2時間使えるだけの電力を賄う」
としてみます。とりあえずスモールスタート。(笑)
※ガレージメンバーの多くは、平日に本業があるので、「週末1日」の仮定でも今回は良しとしましょう。
※工作機械の電力にも使いたいですが、エアコンに比べ稼働率が低いと思われるので、今回の計算では取り扱わないこととします。

さあ、始めます。
(オームの法則さえ分かっていれば大丈夫です。また、計算の中身で出てくるよくわかんない情報は、今後の記事で詳しく説明しますよ!詰まったら適宜読み飛ばしてOKです。)

①負荷電力
ガレージ2Fの面積は約62[m^2]です。(約9.7m×6.4m)
この面積の事務所を冷却するために必要なエアコンの能力は、ダイキンHVACソリューションズ(株)様のWebサイトを参考にすると、冷房能力11.2kW消費電力4馬力クラスの業務用エアコンが適していることがわかります。

1馬力≒0.75kWですから、
4[馬力]×0.75[kW/馬力] = 3.0kW ですね。
これを1日2時間稼働させるには、
3.0[kW]×2.0[h]  = 6.0[kWh] 
の電力量が必要なことがわかります。


②バッテリー容量の計算
この電力量を蓄電するために必要なバッテリー容量を計算します。
今回はバッテリーに鉛蓄電池の使用を考えます。車のバッテリーにも使われているやつですね。各地のオフグリッドソーラー発電によく用いられています。
一般的によく出回っている鉛蓄電池の公称電圧は12V
オフグリッド ソーラー発電では、直流12Vまたは24V系でシステムを組むことが多いです。(対応機器が入手しやすい)
今回は、送電ロスの削減や、配線や機器に流れる電流量を削減するために、24V系を選択します。すなわち、12Vの電池を2つ直列に繋げて使うイメージ。

バッテリーの容量は、Ah(アンペアアワー/アンペア時)であらわされます。これは、ざっくり言えば、取り出せる電流×時間 を表しています。
6.0[kWh]の電力を蓄電するためには、24Vの電池が、
6.0[kWh] / 24[V] = 250[Ah] 分だけ必要なことがわかります。
ただし、以下の理由から、これより多少余裕をもった容量選定をすべきとされているようです。(詳細は今後の記事で。)
●鉛蓄電池は放電しすぎると寿命が短くなる。(すなわちフル充電→フル放電の繰り返し使用は推奨されない。)
●短時間で多くの電流を取り出そうとすればするほど、実際に取り出せる電力量は低下する。


③ソーラーパネルの発電量の計算
次にソーラーパネルに求められる発電量を計算しましょう。
発電量を厳密に計算するのは、日照条件や設置場所・角度等様々な要因に左右されるため、少々難しいです。
ここでは、ソーラーパートナーズ様のWebサイト等を参考に、
公称発電量1kWのパネルで、年間1,000kWh発電する、として考えてみます。
これを1週間=7日間に換算すると、1000×(7/365)= 19.2[kWh]発電する、となります。
ここで、①で計算した6.0kWhの電力量を7日間で発電するには、公称電力が
6.0 / 19.2 ≒ 0.313[kW] = 313[W] 以上の
パネルを準備すれば良いことになります。

【というわけで、今回のシステム構成は・・・】

次のようにします!
  • ソーラーパネルは公称100W、12Vのものを2個直列×3個並列につなぎ、
    公称600W、24Vの発電能力に。
  • バッテリーは公称12V、100Ahの鉛蓄電池を2個直列×3個並列につなぎ、合計公称24V、300Ahの蓄電能力に。
  • チャージコントローラにはソーラーパネルから公称24V、(600/24≒)25Aの  電流が流れるので、それに対応できるMax24V、60A対応のものを選定。
  • インバータは接続先機器に合わせて選定。エアコン用のものは容量3kW以上のものを使用する。
と、こんな感じでどうでしょう。すべて上で計算した要求値以上になっているはず。

図中にいくつか意味わかんない単語が出てきてる、と思った方もいらっしゃると思いますが、今後の記事で解説しますからご安心を
また、この図は主要な機器の位置・接続関係のみを示したものです(他にも必要なものが細々ある)システム構築に目処が着き次第、追って図を詳細化しUpdateししましょう

【と、こんな感じで計算したものの・・・】

実際のところ、計算にはあらゆる仮定を置いています。ソーラーパネルの設置場所や角度、日照条件によって発電量は様々に変化します。インバーターの電力損失もあります。また、消費電力3kWのエアコンが、常に3kWの電力を消費し続けているわけではないでしょう。

結局のところ、この計算がどれだけ妥当だったのか、実際のところどのくらいの性能が出るかについては、システムが出来上がり次第あれこれ調べてみることにします。楽しみですね。


と、今回もなかなかの長文記事になってしまいました。最後までご覧くださり、ありがとうございました。


次回以降、今回登場した各種機器の選定結果や、設計に必要な基礎知識を解説してまいります。ご期待ください!

(サンドマン)


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