2021年5月5日水曜日

CNCルーターをもっと使いやすくしよう!(後編)

どうも、サンドマンです。最近、飼い猫に粗相をされてしまい困っております。わざと自分のカバンに粗相するんですよね。。。臭いがなかなか消えません(泣)


さて今回は、先日の記事に引き続き、ガレージのCNCルーター「Art CNC1515(Avalon Tech)」より使いやすくするために悪戦苦闘した記録をお送りいたします!後編では、電気関係の取り組みを紹介していきます。少しでも皆様の参考になれば幸いです。
※集塵装置に関する内容は、分量が多くなってしまったので別記事にして後日公開します。ごめんなさい!

あ、そうそう、このCNCルーター、我々は通称「キャシー」と読んでいます。見た目が華奢だからキャシー。極めてシンプルなネーミングです。もちろん華奢なのは見た目だけで、木材・スタイロフォームをバリバリ削れる頼り甲斐のある存在です。なお、ガレージの2Fには、キャシーを含め3台のCNC加工機(通称:CNC3姉妹)を取り揃える予定です。残りの2つの全貌も、近日中にブログで紹介したいと思います!

★CNCルーターの関連記事はこちらからどうぞ! 


【非常停止ボタンを取り付けよう!】

CNCルーターが、もし動作中に思わぬ動きをしてしまったら。そんなときに動作を瞬時に停止し、私たちを怪我から守ってくれるのが非常停止ボタンです。自動で動くそれなりに危険な装置であれば付けておくのが一般的です。私たちも、万が一のときのために、付けておくことにしました。

あらかじめオプションパーツとして買ったスイッチを準備!

さて、どこに接続したらよいのだろう。今回使用しているコントロールボード(XPro V4)の取説を確認してみます。

XPro V4の標準配線図

この図によれば、図の左側、24Vスイッチング電源とコントロールボード間の電源線に付ければ良さそうです(「Latching/E-Stop」と書かれているところ)。E-Stopとは非常停止のことですね。非常停止スイッチを押すと、コントロールボードに供給されている24V電源が断たれ、モータが瞬時に停止します。非常にシンプル。
ただここで問題が。このように繋いでしまうと、スイッチを押した時にコントロールボードの制御電源(≒マイコンの電源)も切れてしまい、PCとの通信が切れてしまう。これでは非常停止スイッチを押した後の復帰が面倒臭い。何かよい解決策は無いものか・・・

そこで私たちが目を付けたのが、もう一つの「E-Stop」と書かれたポート。

XPro V4のピン配置図

この図下側の「(A0)Reset/Abort + E-Stop」と書かれたポート。なるほど。ここに繋げば良いでは無いですか!
(A0)ポートと隣のDigital Groundポート間に、先ほどと同じ非常停止スイッチを接続して動作確認。しかしここでまた問題が・・・

ボタンを押さないとモータが動かない。
(逆でしょ、逆・・・)

先ほどお見せした標準配線図を見返してみると、このポートには×マークのスイッチが繋がっています。そこには、「Momentary - Normally Open」とな。Normally Open(NO)ですから、通常は配線が切れている状態。つまり、ボタンが押され、配線が繋がったときに動作が停止するわけです。
一方で、今回使っている非常停止スイッチはNormally Close(NC)タイプ。通常は配線が繋がっていて、押すと切れます。

※NOをa接点、NCをb接点と呼ぶ場合もあります。

蓋を開けると「NC」と書かれたスイッチが入っていますね。

そもそも、非常停止系はNCのスイッチで構成することが多いです。なぜなら、NOのスイッチで停止する回路にしてしまうと、もしスイッチ近傍の配線が切れてしまったときに、スイッチをいくら押しても装置が停止せず、制御不能となってしまうからです。NCの回路であれば、配線が断線したら装置が止まるので、少なくとも制御不能にはなりません。装置が故障した時に、安全な状態になる(≒安全側故障となる)ようにする、これが非常停止系設計の基本です。

・・・はい、脇道に外れました。

仕方がないので今回は、Normally Openの非常停止スイッチを別途購入することにしました。


中を見ると、NCのスイッチとNOのスイッチが一つずつ入っています。ボタンを押すとこの2つが同時に作動する設計です。今回は、このNOのスイッチだけを使いました。(本来は両方を使って二重化し、安全性を高める使い方をするんですけどね・・・。)
これで非常停止スイッチを押すと動作が停止。ボタンを押してもPCとコントロールボード間の通信が途絶えることがありません。万全ではありませんが、とりあえず一件落着です。

ちなみにこの構成にはもう1点注意点が。XPro V4の回路図を確認したところ、今回使用した「(A0)Reset/Abort + E-Stop」ポートは、内蔵されているマイコンの入力ポートに直結されています。この場合、万が一マイコンの動作がおかしくなった場合(暴走した場合)に、非常停止スイッチを押しても動作を止められない可能性があります。真似される場合はその点にもご注意ください。
また、回路図を見てもうひとつ気が付いたのですが、ボード上の「Serial Mode Select SW」を正しく切り替えると、PCからコントロールボードにUSB給電できるようになりそうです(詳細は割愛します)。もしそうであれば、冒頭で紹介した標準配線図の通りに非常停止スイッチを使っても、制御電源が切れないかもしれません。今さら分解していじるのは大変なので、あとでトライしてみようと思います。


【タッチプローブを使ってみよう!】

Z軸の高さ合わせ、犠牲層の高さや工具の突き出し長さに合わせて毎回やる必要があるので、大変ですよね。。。そこで、タッチプローブを使って高さ合わせの作業を楽にしましょう!

こんなやつ。標準オプションとして販売されてますよ。

Z=0としたい面(例えば犠牲層の上面)に円柱状の部品(タッチプレート)を置き、工具にはワニ口クリップをつけます。配線はコントロールボードの専用ポート「(D3)Z-Probe」に繋ぎ、タッチプレートと工具が接触すると電気が流れるようにします。

この状態でZ軸をゆっくりと下げていき、工具とタッチプレートが接触すると通電。このときの、「工具先端の高さ」を「タッチプレートの高さ」と記録すれば、Z軸の基準合わせが完了!となるわけです。


Z軸の高さ合わせ動作(Z軸をゆっくり下げる→接触した位置を記録)は、専用ソフト(CNCjs)上でできちゃいます。上図の画面で必要な項目を入力した上で、「プローブ」ボタンをクリックすれば完了です。
  • :Z
  • プローブコマンド:特段こだわりがなければ「G38.2」を選択
  • プローブの高さ:Z軸をゆっくり下げる際の最大移動量。動作開始時のタッチプローブー工具先端間の距離より大きくしておきます。(かつ、衝突防止のため、犠牲層上面ー工具先端間の距離より小さくしておいた方が安全。)
  • プローブの送り速度:精度よく、かつ安全に高さ合わせするために、結構ゆっくりにした方が良いと思います。10mm/minなど。
  • タッチプレートの高さ:使用するタッチプレートの高さを入力します。
  • リトラクションの距離:工具とタッチプレートが接触した後、Z軸を上昇させる距離。こちらはお好みで。
注意すべきはタッチプレートの高さ。今回使うタッチプレートの高さは19.2mmなのですが、ここに入れられる数値は1mm単位とのことで・・・。今回は、

①とりあえず20mmにセットして高さ合わせ動作を実行。タッチプレートの上面が高さ20mmと扱われるので、犠牲層上面の高さは20-19.2=0.8mmということになる。
②Z軸をジョグ運転で高さ0.8mmの位置まで移動(このとき犠牲層と工具が接触しているはず。)
③改めてこの位置をZ=0として登録。

の段取りで合わせました。
これ以外の方法として、タッチプレートの下に高さ0.8mmの板を敷くのもアリだと思います。これなら、20mmの設定で高さ合わせすれば一発で設定完了です。

なお、より精度よく高さ合わせしたい場合には、タッチプレートを置く場所(X・Y座標)を実際に削りたい位置に近づけた方がよいと思います。前回の記事で報告した通り、犠牲層自体に反りやうねりがありますので。


この高さ合わせ、少なくとも工具交換のたびにやる必要が出てきますが、そのたびごとに配線を繋ぐのは面倒臭い。ということで、X軸の脇にタッチプレートを固定できるフックをつけておきました。

これで配線の抜き差し不要!
(この写真は見た目が少々汚いですが、加工時に配線が引っかからないよう、きちんと整線しておきますよ。




さて、前編から引き続き、CNCルーターを使いやすくするための取り組みをあれこれを紹介してきました。少々長い記事になってしまいましたが、ご参考になりましたでしょうか?
今後もCNCルーターでの製作事例や、使い方の工夫点・コツなどの様々な記事をアップしていきたいと思いますのでご期待ください。ご質問など、お問い合わせはお気軽にどうぞ。


CNCルータの利用者も大募集中ですので、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください!

それでは!

(サンドマン)

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