2021年7月7日水曜日

ジェットエンジンを作る 其之参

最近、youtubeの犬・猫動画にハマっている、

どうも、犬も猫もどちらも大好き♡ Mr.Hです!


さて、前回の記事ではジェットエンジンを作る上で最重要な大枠である熱サイクルについて話ましたよね♪



今回はそこからより詳細に設計を進めるべく、各要素(圧縮機、燃焼器、タービン)の仕様を決めていこうと思います‼


前回紹介したジェットエンジンの全体効率を求めるエクセルを用いて設計をしていくわけですが、前回説明したことをおさらいすると…


Point1:圧縮機出口圧(圧力比)が一定の場合、燃焼温度を上げると効率が上がる。ただし、ある温度を超えるといくら温度を高くしても効率はほとんど上がらなくなる。


Point2:燃焼温度が一定のとき、圧力比を高くしていくと効率が上がるが、ある点を境に効率が下がってしまう。


Point3:設計で使える燃焼温度は、タービンの耐熱温度で決まる。


このPoint1~3を念頭に、エクセルシートとに睨めっこして、今回の作りたいジェットエンジンに合わせて数字をイジイジ・・・(主に各要素の効率や圧損を変えていきます。)


今回の設計で仮定した内容は以下です。



タービンの仕様

タービン入口温度:700℃
耐熱合金で有名なインコネルを用いると大体、耐熱温度は700℃(耐熱温度を考える上で重要となる、クリープ温度・強度については別途ブログにて紹介予定。)

タービン最高効率:80%
大体ここまではいくだろうという想定です。(経験値)

タービン圧力比:1.7
タービン圧力比は、圧縮機の下流(燃焼器など)での圧力損失が約0.03MPa程度あると仮定し、後述する圧縮機の圧力比からこの影響を差し引いて設定しています。


圧縮機の仕様

今回は設計・製作の難易度を低くしつつ、効率をなるべく上げることを目指します。そこで、圧縮機の構造がシンプルで、かつ圧力比も高く取れる(※)遠心圧縮機を採用したいと思います‼
(※)遠心圧縮機は一般的に、1段でも圧力比2(入口圧力の倍)くらいは容易に取れると言われています。

圧縮機入口温度:25℃

圧縮機効率:75%


燃焼器の仕様

耐熱温度:700℃
タービンと同様に、耐熱合金で有名なインコネルを用います。




これらを使ってエクセルシートで計算すると・・・!




圧縮機の圧力比を3.9としたとき、エンジンの効率が最大に。この時の効率は9.4%。まあ、自作となれば上出来ではないでしょうか

(ターボチャージャを改造して作られているジェットエンジンを見ると、効率が1%にも達していないのでは、という怪しいものが散見されるので…)


ただし注意すべき点は、このグラフから読み取れるのが、圧力比が3.9をピークとして効率が雪崩のように落ちることです。これは試運転の際に気を付けないといけない点ですね♪ 調子に乗って圧力を上げても、効率が落ちてガンガン燃費が悪くなるので...

また、燃焼温度が100℃変わるだけで最大効率も3%以上落ちているのが分かりますよね♪

当然効率が0を下回ると熱サイクルは破綻つまり動かなくなるので燃焼温度が300~400℃では自立運転が出来るか出来ないかの境界となります



因みに今回はターボファンターボシャフトジェットエンジンを目指しているので軸動力重視としたいと思います‼(ジェットエンジンの種類についてはこちらをご参考にどうぞ)



よし‼これであとは。。。形にしていくだけ‼っと思うのは早すぎますぜ旦那‼

上記仕様で違和感を覚えませんか?



そう!エンジンと言っときながら、肝心の出力(軸動力や推進力)や回転数が決まっていません!



え?じゃあ、なんでこんな計算させたの?と疑問に思うかもしれませんが、どうでしょう?各構成要素の各パラメータを振って効率を見たときに、”何が?” ”どれくらい?” ”影響が大きいパラメータか?”を掴めることがご理解いただけたのではないでしょうか?

実はこの”影響が大きい”ものを掴むことが熱サイクルの設計で最も重要な事だったりします。


まあ、今はMr.Hの雑談程度に捉えてもらって・・・。後々の詳細設計・検討のフィードバックを行っていくうちに、おのずとその重要性が実感されていくと思います‼


っと言うわけで、次回はより具体的に、より詳細設計に切り込んでいこうと思いますのでよろしくお願いします‼


それじゃぁ、またね('ω')ノ


以上

Mr.H



EmoticonEmoticon